スメラギメガネ

ライブ鑑賞が趣味の、四半世紀も生きていない男

「大石昌良の弾き語りラボ〜3日間の秘密の研究室〜」初日に行ってきた

【こちらの記事は、4月に書き、下書きのまま放置していたものをそのまま公開したものです。ご了承を。】

 

2021年4月6日、東京、shibuya duo MUSIC EXCHANGEにて。

大石昌良の弾き語りラボ〜3日間の秘密の研究室〜」初日公演に行ってきました。

 

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漢字の大石さんを生で見るのは去年のサウスケ以来、ソロの漢字で言えば去年のFCイベ以来。

整理番号は190番台ってことで、だいぶ後ろになるだろうと思っていたのだけども、今回はライブハウスながら感染病対策の影響か、観客全員に椅子が用意されている全席指定タイプで、その上自分の番号はステージの斜め前。二列目とほぼ同じ距離感の場所に着けてしまいました。なんという僥倖。

更にステージ正面の席より一段高くなっているため見やすいという、嬉し過ぎる誤算。

感謝感激。

 

ステージにはいつもの大石さんの相棒、LS36と見慣れないガットギターが一本。

おそらくヤマハのやつなんだろうけど、ライブで使ってたことありましたっけ?ファン歴浅いのでわからない。

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トムさんがツイッターに上げられた画像に写ってる左のギター。

 

てなわけで、ライブの中身の感想に移っていきます。

私の乏しい記憶力を参考にしているため、間違ってる点や記憶違いもあることをあらかじめご了承願います。(大石さんのMCでの言葉遣いは特に!ニュアンスだけ受け取っていただければ…。)

 

19時30分、開演時間とほぼ同時に大石さんが深々とお辞儀をしながら登場。

 

ツイートでも書いたんだけど、この日の大石さんはいつもよりイケオジ感マシマシで、めちゃカッコよかった。

40代の貫禄がだいぶ出てきてきましたね(何様)。

 

 

そんなこんなで始まった一曲目。

 

 1.耳の聞こえなくなった恋人とそのうたうたい

大石さんの実体験を基にした楽曲「耳の聞こえなくなった恋人とそのうたうたい」からスタート。

インタビューとか、ライブの発言で、大事にしてるってのがよく解る一曲ですよね。

会場がいい感じに狭いのもあり、大石さんの生の声が直接耳に響くような感じがあって、この曲中は鳥肌ビンビンで止まらなかった。

特にアカペラで歌われた「聞こえないことは悪いことじゃないよ」からの歌唱は最高でした。

本当に魂から歌ってる感じしますよね、大石さんって。

となりに座られてた女性の方は、鼻をずるずるさせてながら、恐らく涙を流されていましたね。

私も涙をグッと堪えて曲を味わいました。

 

2.ストーリー

続けてバラード曲。

大石さんのライブでは、結構終盤でやるイメージのあった曲なので、序盤で魅せる一味違った「ストーリー」。

じっくりと曲を魅せる最低限の照明がマッチして、とても素敵でしたね。

書き忘れてたんですけど、一個前とこの曲は椅子に座りながら歌ってました。

 

演奏が終わり、椅子はスタッフが袖に持っていきMC。

ここでは今回の公演のルールがみっつほどあるということで、その確認と説明。

ひとつめは会場のルールを守ること。

おしゃべり、スタンディングでの観覧は禁止。多少の笑い声は大丈夫とのこと。

 

ふたつめは今回のライブは3日間セットリストが同じなので、公演期間中のネタバレは厳禁。

SNSなどでセットリストを書くのはしないようにとのお達し。

 

そしてみっつめは、トイレや体調不良で席を立つ際はステージを気にせずに行ってほしいとのこと。

公演中に具合が悪くなって途中退場された方には、受付で住所を書いてもらって、大石から直筆の手紙を送るとのこと。

こんなご時世下でのライブだからこそ、気持ちよく帰っていただけるようにとの配慮が感じられる、愛のあるMCでした。

 

そして次の曲。

 

3.パラレルワールド

圧倒的テクニックを魅せつける一曲。

ボイスチェンジャーを駆使しながら弾き語りとは思えない音の厚みを醸しだしてくれる。

ちなみに「愛というラボラトリ~♪」の部分は「東京のラボラトリ~♪」と歌ってました。

 

4.ボーダーライン

今現在出ている中で、一番新しいシングルの表題曲。

パラレルワールド」とセットで演奏されることが多い印象があるよね。

右手の動きがホントに意味わからん。

ほかの曲も意味わからんけど、これは特に。

 

「ボーダーライン」を終え、続いて「眼鏡ダーリン」…なのだが、この眼鏡ダーリン前に行っている、眼鏡をかけた観客をステージに上げ、大石さんに眼鏡を渡し、演奏を始めるという寸劇がこのご時世上、難しいということで、眼鏡をかけたマネキン(画像3枚目のマネキン)がステージに登場。

このマネキン。台の上に乗せられていて、後ろで黒衣さんが台を押す形で動いていたのだけども、台の上は安定感がなく、ぐわんぐわんと不気味に動くマネキンに対し、「夢に出てくるわ!」と大石さんもツッコミ。

なんとかマネキンから眼鏡を受け取りようやくスタート。

 

5.眼鏡ダーリン

地獄の沙汰も出会い次第 あなたが僕を変える」って歌詞がたまらなく好きなんですよね。

大石さんの歌う曲って、弾き語りテクニックの凄まじさとメロディが気持ちいいっていうのはもちろんなんだけども、さらっと心に刺さるようなフレーズを仕込んでくるから恐ろしい。

 

曲が終わり再びMC。

「このご時世で何より辛いのは、実家に帰れないこと。」と語り、「地元の宇和島市を書いた楽曲を二曲続けて披露しようと思います。」

そこから大石さんのデビューシングルの紹介に入り次の曲へ。

 

6.ほのかてらす

今回のライブでピックを使った唯一(多分)の曲。

情景がフッと思い浮かぶような歌詞が印象的。

この公演とは関係無いんだけども、LiveFansってサイトでサウスケ時代のセトリを見てた時にこの曲をやってるのを見つけて驚きました。

バンド時代からの曲だったんですね。コレ。

そっから考えると16年前の曲ですよ。とても古い曲になるんですね。

 

7.海を見ていた ぼくは

続けて宇和島を歌ったこの曲。

小説家の片山恭一さんが作詞ということで、どこかストーリーチックさが強調された感じのある一曲。

この曲が入ってるアルバム「31マイスクリーム」ホンッット名盤なので聴きましょう。

 

曲が終わり、スタッフにより再び椅子が用意され、大石さんはガットギターを手に取りながら、「最近ガットギターにとてもハマってるんですよ。」とガットギターの魅力について語り、話は新曲についてへ。

「最近あんまり活動できてないので、漢字の大石は活動休止してるのか?とかツイッターでよく見ますけど、ちゃんと新曲書いてます!インソムニアはどうしたのかとかも言われたりとか…(笑)。ここでやるべきとも思いますけど、違う新曲をやります。」と言い、現在関西圏で放送されているニュース番組のエンディング用に書き下ろした楽曲を初披露ってことで次の曲。

 

8.ただいま

イントロを一回ミスしてしまい、「もっかいやるね。」と言い弾き直してスタート。

関東住みなので、番組では聴けず、このライブで初めて聴けた楽曲。

タイトルから温かみのあるほっこりソングかと思いきや、センチメンタルで重々しい雰囲気ながらも、最後に希望が見えるという感じの歌詞の一曲でした。

凄い好み。音源化がひたすらに楽しみ。

 

MCに入ると、「次にやる曲は、ライブでは10年振りくらいにやる曲だと思います。初めて聴く方が多いと思うので、新曲の気分で楽しんでください。」と次の曲へ。

 

9.セツナ風

会場ではこのレア曲に立ち会えて歓喜する人達が、喜ぶ声を殺している様子がよくわかりました。

もちろんライブでは初聴き。

「ほのかてらす」のカップリングで、アルバムにも収録されてないということで、なかなか日の目を浴びずらいけれども、良い曲です。

角度的に見づらかったのですが、おそらくカポ1だったと思います。

 

再びMCに入り、「正確には自分の曲じゃないんですけど、凄く気に入ってて、ガットギターでレコーディングした曲をやります。リゼロの挿入歌『ぼうやの夢よ』。」

 

10.ぼうやの夢よ

いつぞやのピザラジで、この曲の話題で盛り上がった回を思い出してしまいましたね。

リゼロを見てた私としても、「ぼうやの夢よ」が流れるあのシーンは、作品の中で一番好きな場面だったりするので、一話限りの挿入歌といえども印象に強く残る一曲。

www.youtube.com

36分あたりから、「ぼうやの夢よ」で盛り上がるシーン。

 

曲を終えるとギターをLS36に持ち替え、再び立ちながらのパフォーマンスに。

「バラードばかりだったのでここからは盛り上がる曲を…。」と語り次の曲へ。

 

11.幻想アンダーグラウンド

弾き語りラボ常連の楽曲。

コードチェンジがめちゃんこに速くてかっこいい。

一回この曲のギター練習しようとして挫折してます。

この曲に限らないけども、ギター一本なのに満足感がとてつもない。

 

12.ファイヤー!

ギターのボディを叩くことで音を出すスラム奏法を駆使した一曲。

「Are you ready 渋谷ぁ~!」と叫び豪快な演奏で、大石さんも楽しんでいるのが感じられました。

しかしいつもに増して、ボディを叩く動作が強く感じられたよう気が。

気合入りまくりだったんですかね。

 

13.トライアングル

カポを1フレットに付け、最初のコードを弾いただけで、会場の空気が一気に変わったのが解るほど。この曲の持つパワーはとんでもない。

自分はこの曲を初めて聴いた時、一気に大石ワールドに引っ張られました。

人間業とは思えないテクニックの数々、今回のライブは席も近かったというのもあって、更に迫力が万点でした。

こんなの魅せられたら好きにならざるを得ないじゃないか。

 

14.ピエロ

そして本編ラストとなった「ピエロ」。

 ライブでは定番となっていた、観客が「That's cool!!」と歌う場面も、今回は声出しせずに手を上げる動きだけにとどめていました。

臨機応変に声出しのないコール&レスポンスを煽る大石さんに、それに強く応える観客。

何百回ころんでも 何百回つまずいても 夢見る心で エンターテインユー」の歌詞の通り、ライブができない時を乗り越え、少しずつ対面でのライブが増えてきた中で、会場全体が全力で楽しむ姿勢を感じる最高のパフォーマンスで本編は幕を閉じます。

拍手に包まれながら、深々と頭を下げステージ袖にはけ、そのままアンコールを呼ぶ手拍子へ。

 

BPM190くらいあるんじゃないか?と思うほどの高速手拍子に煽られ、2分ほどで再びステージに登場した大石さん。

 

マイクの前に立ちMC。

「あのー。今回のライブ、発表から今日のステージまで時間が不自然だったじゃないですか?すごく短くなかったですか?」

大石さんの話の通り、今回のライブの発表が2月27日。

そしてライブが4月6、8、9日と発表から1ヵ月程度になっている。

 「それには理由があって…。このあと発表するんですけど、4月の下旬にポリープの手術を受けることが決まりました。

 手術後は喋ることはできるんですけど、歌うのはしばらくできなくて、なので手術前に一度皆さんの前でライブをしたいなっていうので、無理やりスケジュールに詰め込んだ感じなんです。」

「ポリープがあっても歌声に今のところ問題はないし、今日も感じなかったでしょ?だけど喉に爆弾を抱えたままの気分っていうのは嫌なので、しばらく喉のメンテナンスをしてきます。」

そう語り最後に披露されたのはこの楽曲。

 

15.東京ループ

ソロで中々売れず、鳴かず飛ばずのころに書かれた楽曲。

リリースから9年経ち、絶え間ない努力を続け、アニソンではもちろん、弾き語リストとしてもバンドマンとしても注目されるようになった今歌うからこそ、歌詞の一説、一説に重みを感じる。

自分は大石さんを好きになってから、まだ3年程度だけども、惹きつけて離さない魅力はこういった過去があるからこそなのかもしれない。

大石さんがいつも掲げている「弾き語りで武道館に立つ」という夢も、もうすぐそこまで来ているように感じてしまう。

 

楽曲が終わり、ポリープについて軽く触れ、最後に大石さんが放った言葉は「これからも…。大石昌良を応援してください!」という一言。

いつぞやのピザラジのドライブトークで「ファンの方に『応援してます』って言われるのってなんか違うと思うんだよね」と語っていた大石さんが、すごく言葉を選んで、考え抜いてこの一言だったと思うと、とても感慨深いなと。

拍手が鳴りやまないまま、大石さんがステージからはけ、一時間半に及んだライブは幕を閉じました。

 

新旧、定番、レア曲入り混じったセットリストに最後まで息をするのも忘れるような、素晴らしいライブでした。

特に今回はカタカナ名義の曲はなく、漢字の大石昌良としてのライブというのが強く感じられました。

複数名義での活動や、アニメ制作など、貪欲に活動していく大石さんが、弾き語りで武道館のステージに立つまで応援を続けたいと強く思えた一日でした。

拙い文章にお付き合いいただきありがとうございました。

またどこかのライブで。

 

セットリスト

1.耳の聞こえなくなった恋人とそのうたうたい

2.ストーリー

3.パラレルワールド

4.ボーダーライン

5.眼鏡ダーリン

6.ほのかてらす

7.海を見ていた ぼくは

8.ただいま

9.セツナ風

10.ぼうやの夢よ

11.幻想アンダーグラウンド

12.ファイヤー!

13.トライアングル

14.ピエロ

アンコール

15.東京ループ

 

【追記】

席がスタッフさんが出入りをする幕の近くということもあって、アンコールの手拍子の間に、幕の方から大石さんの声が聞こえたような…聞こえてないような…。